特定外来生物については、以前、記事で触れたところです。
さて、NPO法人樹木研究会こうべと一般社団法人 日本樹木医会奈良県支部との合同で実施された「クビアカツヤカミキリ」の被害調査&捕殺・防除対策に参加させていただきました。
コウチュウ目カミキリムシ科に分類される昆虫の一種。別名クロジャコウカミキリ(黒麝香天牛)とも呼ばれることもある。サクラやモモの木を食害する害虫であり、日本では2018年(平成30年)1月に環境省により特定外来生物に指定された。
「クビアカツヤカミキリ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2021年6月27日20時(日本時間)現在での最新版を取得。
朝から馬見丘陵公園にやってきました。
ここは、奈良県を代表する公園、僕が初めて地元で開催された昆虫食セミナーに参加し、内山昭一先生に出会った思い出の場所です。
今回の調査は、何と奈良県ほぼ全域。
4班に分かれて被害調査、その後、捕殺に取り掛かります。
クビアカツヤカミキリについては、大学の授業でもレポートを書いたことがありますが、今回、参加されている樹木医の皆さんはプロフェッショナル。
ネットで調べた情報などより、実際の現場の生態を詳しくご存じでした。
クビアカツヤカミキリは28℃以上で活動が活発になるとか。雨天や曇天時は姿を探しにくい。
クビアカツヤカミキリは、バラ科の木を好みます。
モモが大好物だとか、その次が、サクラらしいです。
このような成長した老木が特にお好みとか・・・
クビアカツヤカミキリは、木の幹に「置く」ように産卵する。なので、若いツルツルの桜より、表面がでこぼこした老木が産卵に向いている。
幼虫は、樹木の中を食い荒らし、3年程度で枯らしてしまうとのこと。
日本では材木などから侵入し、徐々に生息地を広げているとのことで、奈良県も大阪に隣接するような地域から徐々に広がっているとか。
しかし、案外広がりは緩やかだとか・・・
クビアカツヤカミキリの移動範囲は1~2㎞程度しかなく、しかも、孵化したらその木からあんまり動かないズボラな昆虫、だとか。しかも、木の高いところにはあまり移動しない。
オスが先に孵化して、メスを待ち構えている。
県内各地を回ります。
この、フラスがあれば、その木にカミキリムシがいる可能性ありです!
そのほかにも、上級者だとわかるらしいポイントがあるとか。
クビアカツヤカミキリは別名「クロジャコウカミキリ」といいます、その木のそばを通ると、独特のにおいがします。嗅覚が鋭い人だと気配を感じることができるのだとか。
わかりにくいので、拡大します。
カミキリムシは、触覚が長いのがオスで短いのがメスです。
そこそこ大きいので2年~3年もの?
クビアカツヤカミキリは、同じ種類でも、1年もの、2年もの、3年ものがいるとか。当然、成虫の個体の大きさが変わってきます。
クビアカツヤカミキリは、頑丈でしぶといので、電気ショックなどでもなかなか死なないとか、ということで、今回は薬剤で確実に仕留めます。
特定外来生物は、移動させることが禁じられています。生きたまま持ち帰ってはいけません。
食べてみようかなとも思ったのですが、においが・・・
お酒につけたりすると独特の風味になったりするんでしょうか???
他のカミキリムシも木を食べますが、クビアカツヤカミキリは繁殖力が旺盛。日本にはまだ天敵もいないので、緩やかとはいえ徐々に広がっているとのこと。
原産地では、サクラ以外の木にもとりついているそうですが、日本ではまだ同種の中で生息地争いになっていないので、大好きな桜が狙われるそうですね。
みなさんも、近くの桜の木の下に、大量の木くずを見つけたら、都道府県または市町村の担当課へ連絡しましょう。
注:特定外来生物の捕殺は、専門家の指導のもと、行いましょう。