昨年より複数回にわたって昆虫食のイベントを開催している奈良県において、奈良県都市公園事業促進協議会の研修会の企画として、奈良県及び奈良県内の市町村、国営公園の管理の実務責任者や担当者を集め、「昆虫食」を切り口にした公園の利用促進や適切な管理をテーマにしたワークショップを開催しました。
関東では、「公園での食用の昆虫採取」が話題になることがありましたが、今回のワークショップが全国のモデルとなることを期待して、内山昭一先生を招いて企画させていただきました!!
場所 奈良県営平城宮跡歴史公園
主催 奈良県都市公園事業促進協議会
企画 昆TUBEちゃんねる
奈良県都市公園事業促進協議会
奈良県及び奈良県内の市町村で構成され、国への要望活動などを行っています。
毎年、公園と親和性の高いテーマで実務担当者を対象に研修会を行っており、これまで、スターバックスコーヒー、ボーネルンド、TOTOなどを講師に招いて研修を開催してきました。
講師・ファシリテーター
内山昭一(昆虫料理研究家・NPO法人昆虫食普及ネットワーク理事長)
1950年長野市生まれ。国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告を発表以降、昆虫料理研究の活動の幅を大きく広げ、楽しさの探求のみならず、科学的な啓蒙活動を精力的に続けている。東京都在住。
著書に、『楽しい昆虫料理』(ビジネス社)、『昆虫食入門』(平凡社新書)、『食の常識革命! 昆虫を食べてわかったこと』(サイゾー)、『昆虫は美味い!』(新潮新書)、共著に『人生が変わる! 特選 昆虫料理50』(山と渓谷社)、監修に『食べられる虫ハンドブック』(自由国民社)、『ホントに食べる? 世界をすくう虫のすべて』(文研出版)等がある。
井上咲楽とのYouTube配信「バグズクッキング」のほか、日本各地での講演を行っている。過去にはビートたけしとの対談や道場六三郎への食材提供など、まさに業界の第一人者である。
丸沢丸(スズメバチ大好き芸人)
お笑い活動と並行して「スズメバチ大好き芸人」として、各地でスズメバチの駆除をしたり、『刺されないためのスズメバチ講演会』や、スズメバチを食べる会『蜂会』を行なっている。東京農業大学卒。
2019年7月に講談社から『超危険!スズメバチLIFE〜図解とマンガでわかる最凶生物〜』を出版。
趣味はスズメバチとのルームシェア。「半沢直樹」のモノマネが得意。
NHK Eテレ『高校講座 生物基礎』2014〜2018年レギュラー出演!、フジテレビ『超逆境クイズバトル‼︎99人の壁』、TBS『人間観察バラエティ モニタリング』ほか
清水和輝(現役大学生・昆虫食活動家・昆Tuber)
近畿大学農学部3年生。自ら企画・開発した「コオロギコーヒー」は日本で5本の指に入る焙煎士・西川隆士さんと共同開発。クラウドファンディングで資金を調達し、目標額を達成。現在、昆虫食のTAKEO、バグズファームや各地の昆虫館などで取り扱い。
2020年はメディアの取材を受けること20回超、Yahooニュースにも数回登場。
奈良県を拠点に昆虫食イベントを開催する傍ら、昆虫食YouTuber(昆Tuber)かずきとしてYouTubeで動画の配信も実施。
東京駅構内で開催された日本初の本格的昆虫食グルメイベント「虫グルメフェス」では、昆虫食タレントたちと並びMCを務めるなどその活動は目覚ましい。
山口大毅(奈良県職員・公園緑地課OB)
大阪市立大学法学部卒。これまで、産業振興、病院経営、人事、都市公園事業など様々な分野の行政実務に従事。
公園においては、「スパルタンレースの練習会」「DOD HOLIDAY」「キャンピングカーショー」などを誘致し、「鬼滅の刃・一刀石アイス」をはじめ、数々の話題性ある企画を仕掛ける。
奈良県における公園の法制の運用の基礎を作り、市町村からも信頼される存在として相談・指導も担当。
生駒市における全国初の都市公園内での社会福祉施設設置などにも尽力した。
現在、奈良県の主要事業のひとつである国際会議・東アジア地方政府会合を担当。
昆虫食に関しては、内山氏を招いて開催したセミナーがきっかけでかずきの活動をサポートしている。
今回、昆虫食に最も理解のある公園のエキスパーとして議論に加わっていただきます。
(1)基調講演 「昆虫食の最近の動向」
ワークショップを始めるにあたり、主に、国連の報告やSDGsの追い風、最近の国の動向(フードテック官民協議会)や日経トレンド、昆虫食のスタートアップ企業の紹介など、最近の昆虫食ブームについて内山昭一先生より簡単にお話ししました。
最後はこちらの看板で問題提起をして、さて、これをどう考えますか?という形で講演を締めくくりました。
(2)ワークショップ課題
次に、課題を出し、班に分かれて話し合っていただきました。
「公園でセミを採って食べている人がいる。管理者として取り締まってほしい」という要望があった。
同時に、「公園でセミを採取して調理するイベントを行いたいがよいか」という相談があった。
それぞれ、どのように検討、整理し、対処するか。
主観的、直感的な意見ではなく、法令に沿って論理的に検討せよ。
(3)ワークショップでの主な意見
・線引きが難しいものは一律禁止としている。(奈良公園のケースなど)
・条例に昆虫について明記していない以上、禁止する理屈がない。
・その時の責任者の判断によるところがある。
・迷惑を掛けなければ別にいいのではないか。 など
年齢層もまちまちですが、市町村の課長級の職員の皆様もチラホラ、ゲストに国営公園からもお呼びしており、国・県・市町村に加え、指定管理者も交えて活発な意見交換が行われました。
奈良県における全ての公園のプレイヤーが終結した非常に豪華なワークショップです!!!
ワークショップを踏まえて、後半はいよいよトークセッションです。